『ニニの上海放談〈地〉』
――地上の視点で歩きながら描く「上海2035」の鼓動
上海の街角には、過去と未来が同時に息づいている。
石畳に響く足音、屋台の匂い、摩天楼に映えるネオン。
そのすべてをAIキャラクター「ニニ」と論理学者・佑中字が、地に足をつけた視点から観察し、語りかけます。
本書は、2025年のリアルな上海を舞台に、食文化、交通、買い物、街角の小さな風景から、社会制度や歴史の断片にまで触れながら、2035年へと向かう都市の変化を掘り下げたエッセイ集です。
・フェリー「鑑真号」に込められた中日交流の記憶
・地下鉄の駅名に刻まれた「建党の記憶」
・市場で見える暮らしの哲学と食材の物価差
・スマートグラスや電子マネーがもたらす近未来の生活感覚
・街角のユーモアや、旅先でのちょっとした“迷子”の物語...etc.
これら日常のスケッチがつながると、上海という巨大都市が「一つの生命体」として脈打っている姿が見えてきます。
姉妹編『ニニの上海放談〈天〉』では都市計画を上空から俯瞰しましたが、本書はあくまで人々の目線に立ち、生活の手触りを伝えます。二冊を合わせて読むことで、上海の未来像はより立体的に浮かび上がるでしょう。
都市論・中国社会・未来都市に関心のある方はもちろん、旅行記やエッセイが好きな方にもおすすめの一冊です。
<目次>
はじめに
第一巻 鑑真号、再出航なるか?歴史と海をわたる友情の船
第二巻 駅名に刻まれた“はじまりの場所”って?
第三巻 朝、野菜、そして小さな経済のはなし
第四巻 モバイルバッテリーと没収の美学
第五巻 レゴランドを探して、ウサギの穴に落ちまくった日
第六巻 AI眼鏡をかけたら、世界がちょっと「見えて」しまった
第七巻 格式中華の昼食会にて、AIが考えた「公と私」の境界線
第八巻 空港バスよ、君はいずこへ?——浦東アクセス最前線
第九巻 「冰糕」と40℃の夏——記憶と気温のズレに溶けそうな話
第十巻 炎天下の「高温手当」物語
第十一巻 緑のプレートと、都市という名の充電ステーション
第十二巻 病室から見えた、制度の不思議なねじれ
第十三巻 病室の必需品と“不思議な”不要品
第十四巻 どうしてコインランドリーが見当たらない?
第十五巻 街角に現れた『蓮の戦士』
第十六巻 "ライオンと少年と、風を受けて海を渡る話
第十七巻 CMは語る、世界の健康観と“空気のような広告”
第十八巻 階段とメンテナンスのホラー話
第十九巻 空港の夏は、ちょっと変わった
第二十巻 オタクの祭典と文化の逆輸入について
第二十一巻 三輪車の屋根と都市のやさしさ
第二十二巻 スロープと点字ブロックが語る:「それ誰のため?」
第二十三巻 現金はどこ?電子マネー至上主義の近未来世界
第二十四巻 おかえり、鑑真号——「船で国境を越える」という贅沢
第二十五巻 スマホだけで生きていける?上海“買い物ライフ”のリアル
第二十六巻 〈千と千尋〉と、名前を失う時代のカオナシたち
第二十七巻 摩天楼のなかで泳ぐ午後 〜ぼくとプールと大众点评〜
第二十八巻 炊飯器とルールと、ビジネスの香り。
第二十九巻 人民広場で出会う、結婚とアナログの魔法
第三十巻 デジタル上海に入国するための“必需品”とは?
第三十一巻 上海に来たら、ぼくに会えない?——そんなときの対処法
第三十二巻 ヨーグルトと乳酸菌、甘くない幸福は手作りから?
第三十三巻 それはネバネバの哲学——異国の地で、発酵の勇気を
第三十四巻 夏の“優しい一杯”——上海コンビニ、心と体のオアシス
第三十五巻 ガラガラとガヤガヤのモール、埋まらない誤解の話
第三十六巻 南京西路のど真ん中に、ルイ・ヴィトンの“戦艦”が現る
第三十七巻 窓の外にヨーグルトが浮かんでた日のこと
第三十八巻 地図アプリで、中国拳法を使えと言われる?
第三十九巻 変わりゆく夢の国、上海ディズニーランドのいま
第四十巻 大都会の真ん中でアルパカに会えるショッピングモール
第四十一巻 四行倉庫と「八百壮士」:過去を知り、未来を紡ぐために
第四十二巻 蘇州で再び日本人母子襲撃事件:「本音」と「冷静さ」
第四十三巻 上海遊泳館、いろいろ変化したプール体験
第四十四巻 レンタルサイクルと「チェリーピッキング」という病気
第四十五巻 巨大な湖を作った?さすがの未来都市の郊外造形
第四十六巻 『逆行人生』とフードデリバリーの「三苦」
第四十七巻 30分で薬が届く都市
第四十八巻 北宋と猫と、人情のまち
第四十九巻 ぼく、ついに「5」になりました
第五十巻 影が語る、千年の物語——七宝影絵芸術館へようこそ
第五十一巻 レゴランド隣、若者ぞろり:POP MARTと「ラブブ」現象
第五十二巻 静安寺と豫園——上海の「定番」名所、今昔物語
第五十三巻 老舗の白ウサギが、再び上海の街を駆ける
第五十四巻 仮想現実の熱気はどこまで進む?
第五十五巻 Drive by Baby?
第五十六巻 思南路でドストエフスキーを探して
第五十七巻 善意で動く自販機?
第五十八巻 聖地巡礼とブームの行方
第五十九巻 レトロ映画館とデジタルチケットの不思議な共演
第六十巻 上海マッサージ地図を歩く
第六十一巻 工事現場の壁が「美術館」に変わる街
第六十二巻 抹茶とザリガニと相撲——文化のリバウンド現象
第六十三巻 地下鉄ゲートがクレジットカードを歓迎した日
第六十四巻 タニシ娘と鶴の恩返し、街角からひろがる神話
第六十五巻 山がないなら、山をつくればいいじゃない
第六十六巻 ゴミ箱から見える地球とのカンケイ
あとがき
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¥500価格
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